イカットとは
2021/08/31
■イカットとは
イカットとは、インドを起源とし、主に東南アジアで生産されている織物です。織り上がった時に文様が現れるように、予め糸のところどころを斑に染めておき、これを経糸か緯糸のどちらかに用いて織ります。糸を染める際、染めたくない部分を別の紐で縛って防染するのですが、この「縛る」を意味する「イカット(ikat)」という言葉が、織物自体の名前になったと言われています。
この技法は日本にも江戸時代に伝わってきて、「絣」と呼ばれています。
■イカットの作成方法
ここでは、斑染めの糸を緯糸に用いる場合を例にご紹介します。経糸には一色に染めた糸を使用します。
1.斑染めの準備
緯糸にする糸を、専用の木枠にグルグル巻き付けます。木枠の幅=織り上がりの布の幅、というわけです。この糸を、文様のデザインに従って適量を束ねながら、染めたくない部分を紐で縛って防染します。防染用の紐としては、植物の皮やビニール紐などを使用します。
2.斑染め
1の糸に染色を施します。乾いたら防染用の紐をほどきます。複数の色で染める場合は、防染と染色を繰り返します。
3.緯糸を杼にセット
斑染めが完了した緯糸を巻き取り、杼(ひ)にセットします。杼とは、シャトルとも呼ばれ、織機の中を左右に行き来して緯糸を繰り出す装置です。
4.経糸を綜絖にセット
経糸(一色に染めた糸)を綜絖(そうこう)にセットします。綜絖とは、織機の中で経糸を交互に上下させる装置です。
経糸を一本ずつ、交互に2つの綜絖にセットしていく、根気のいる作業です。
綜絖と杼を織機に取り付け、織っていくと文様が現れます。
■イカットの制作工程
斑に染められた糸
織っていくと模様が現れます
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